HOME >  取扱案件解説 >  取扱案件詳細~特許法 >  ポイント解説~特許法 目次 >  5.2.1 「権原」をめぐる諸問題~特許侵害主張への抗弁

5.2.1 「権原」をめぐる諸問題~特許侵害主張への抗弁

以下の検索ボックスを利用して、特許法関連のページから検索できます。

 特許権者は、特許法によって、「業として特許発明の実施をする」権利を独占できる旨が定められています(特許法68条)。したがって、第三者が、特許権者の許諾なく、「業として特許発明を実施する」場合、その実施行為は、通常は、権原のない実施行為として特許権を侵害することとなります。

 しかし、特許権者の許諾のない実施行為であっても、一定の「権原」が認められることがあります。以下これらの点についてご説明します。

先使用権

 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有するとされています(特許法79条)。

 この規定を「先使用による実施権」(先使用権)といいます。この先使用権については、こちらをご覧ください。

試験又は研究のための実施

 特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばないとされています(特許法69条1項)。この点についての詳細は、「試験又は研究についての例外」のページをご覧ください。

消尽論・並行輸入

 特許法には、「実施行為独立の原則」という原則、つまり、「製造」→「卸売」→「小売」→「使用」という、商品が通常経るプロセスにおける各行為は、いずれも特許の実施行為に該当するという原則があります。それで、理論上は、特許権者が製造した製品を正常な流通過程で仕入れた事業者が販売する場合でも、特許権の侵害となるという理屈が成り立ちそうです。

 しかし、製造者が、自らの特許権や実施権に基づいて製造した製品を、正常な流通過程で仕入れた事業者がこれを販売する行為が特許権侵害と判断されるとすれば、明らかに常識に反するおかしな結果となり、商品の流通は大きく妨げられてしまいます。この点についての考え方が「消尽論」であり、詳細は、「消尽論と並行輸入」のページにおいて解説しています。

 また、消尽論そのものではないもののこれと密接に関わる問題として、「並行輸入」の問題があります。この点も、「消尽論と並行輸入」のページにおいて解説しています。 

 

次のページ 特許侵害主張への抗弁~先使用による実施権



法律相談等のご案内


弊所へのご相談・弊所の事務所情報等については以下をご覧ください。



メールマガジンご案内

弊所では、メールマガジン「ビジネスに直結する判例・法律・知的財産情報」を発行し、比較的最近の判例を通じ、ビジネスに直結する法律知識と実務上の指針を提供しております。

学術的で難解な判例の評論は極力避け、分かりやすさと実践性に主眼を置いています。経営者、企業の法務担当者、知財担当者、管理部署の社員が知っておくべき知的財産とビジネスに必要な法律知識を少しずつ吸収することができます。 主な分野として、知的財産(特許、商標、著作権、不正競争防止法等)、会社法、労働法、企業取引、金融法等を取り上げます。メルマガの購読は無料です。ぜひ、以下のフォームからご登録ください。

登録メールアドレス   
<クイズ> 
 これは、コンピュータプログラムがこの入力フォームから機械的に送信することを防ぐための項目です。ご協力をお願いいたします。
 

バックナンバーはこちらからご覧になれます。 https://www.ishioroshi.com/biz/mailmag/topic/

ご注意事項

本ページの内容は、執筆時点で有効な法令に基づいており、執筆後の法改正その他の事情の変化に対応していないことがありますので、くれぐれもご注意ください。

 事務所案内
 弁護士紹介


メールマガジンご案内


メールマガジン登録
「ビジネスに直結する
判例・法律・知的財産情報」


登録メールアドレス  
<クイズ> 

上のクイズは、ロボットによる自動登録を避けるためです。


特許法 メニュー

Copyright(c) 2015 弁護士法人クラフトマン ITに強い、特許・商標に強い法律事務所(東京・横浜) All Rights Reserved.

  法律相談(ウェブ会議・面談)

  顧問弁護士契約のご案内


  弁護士費用オンライン自動見積


   e-mail info@ishioroshi.com

  電話 050-5490-7836

メールマガジンご案内
ビジネスに直結する
判例・法律・知的財産情報


購読無料。経営者、企業の法務担当者、知財担当者、管理部署の社員が知っておくべき知的財産とビジネスに必要な法律知識を少しずつ吸収することができます。

バックナンバーはこちらから