取扱案件詳細・解決事例~商標法
商標の重要性と弊所の取り組み
商標は、知的財産分野の中でも、多くの事業者が直接間接に関係することのある分野です。商標は、「商品の顔」「物言わぬセールスマン」と呼ばれることがあるように、企業の「顔」として、商品やサービスの品質や信頼性について情報を発信する機能を持ちます。
商標やブランドは適切に使用すればするほど、企業・その商品やサービスに対する信用が化体していきますから、価値の高いブランドを有する企業にとっては商標は最も重要な事業上の資産の一つといえます。
またそうではなくても、多くの企業は自社の商標を使ってビジネスを行っており、自社の権利を確保しつつ、他社の商標権を侵害しないようにしなければなりません。
しかし、商標法や商標実務は専門的知見を要する分野です。それは、商標の登録可能性、他者の商標との類否、商品や役務の類否、出所識別機能の有無等、多くの高度で専門的な判断が伴うからです。そのため、これに通じている弁護士は多くはありません。
この点、商標関連分野は、弊所が力を入れている分野の一つです。実際、弊所代表石下雅樹弁護士は、ピアレビュー評価によって選出する、”The Best Lawyers in Japan”において、2021年度から2024年度まで連続して”Intellectual Property Law(知的財産法)部門”に選出されています(最新の結果は、Best Lawyersのウェブサイトをご参照ください)。
以下、弊所の詳細な取扱内容についてご説明致します。次のような場合、弊所に一度ご相談ください。また、商標法関連業務については、以下もご覧ください。
■ 商標法関連 解決事例 こちらをご覧ください
■ 知的財産法・IT関連法 所蔵文献例 こちらをご覧ください
商標権・商標法関連の係争に関する取扱内容
商標権・商標法関連の係争に関する取扱内容の例を挙げれば、以下のとおりです。
商標権侵害を巡る交渉
- 第三者によって自社の登録商標と同じ商標が使用されている。自社商標の使用を差し止めるための交渉をしたい。第三者に対する警告を内容証明郵便で行いたい。
- 商標権者から、自社製品のブランドが、商標権を侵害していると主張されている。侵害にあたるかどうか相談したい。適切な対処法を相談したい,又は交渉を代理してほしい。
- 商標権者から、自社製品のブランドが、商標権を侵害していると主張されている。侵害にあたる可能性は高いが、何とかそのブランドを使い続けたい。商標権者からライセンスを受けることは可能か。
商標権侵害を巡る法的手続
- 第三者によって自社の登録商標と同じ商標が使用されている。自社商標の使用を差し止めるための法的手続を取りたい。具体的にどんな手続が取れるか相談したい。
- 商標権を侵害する物品が海外から輸入されているが輸入を差止めたい。
- 商標権者から、自社製品のブランドが商標権を侵害していると主張され、裁判を起こされた。しかし、自社製品のブランドと商標権者の商標は、類似しているとは思えない。どう対処したらよいか。
- 商標権者から、自社製品のブランドが商標権を侵害していると主張されているが、まだ裁判は起こされていない。こちらから先手を打って、侵害していないことを法的に確認する手段はないか。
- 商標権者から、自社製品のブランドが商標権を侵害していると主張されている。しかし、自社は、商標登録こそしていなかったが、そのブランドを長年使用しており、広く知られている。それでもそのブランドは使えなくなるのか。
商標権関連の係争についての解決事例
弊所が現実に取り扱った、商標権関連の係争についての解決事例・解決実績をご紹介します。ただし、守秘義務の関係で、事案は省略しています。なお、現在の事例は含まれていません。
洋菓子店をめぐる商標侵害訴訟
洋菓子店(弊所依頼者)が、長年営む店名を商標として保有していたところ、都内の別の会社が同一の店名で喫茶店・洋菓子店を営みました。それで当該会社に対し、店名の使用差止と損害賠償請求をしました。
結果、同会社は店名を変更するとともに、一定の損害賠償の支払に応じる方向で合意解決に至りました。
バッグ製品をめぐる商標侵害訴訟
バッグ製品の製造販売を営む会社(弊所依頼者)が販売する特徴的なバッグに付していた登録商標について、別の会社がこの登録商標を含む商品名で、デザイン的にも類似した製品の販売を行いました。それで当該会社に対し、商品名の使用差止の請求をしました。
結果、同会社は同商品の販売を中止することとなり、合意解決に至りました。
フロアコーティングのサービスをめぐる商標侵害訴訟
フロアコーティング等の施工を提供する会社(弊所依頼者)が、ペットを飼う家のフローリングに適したフロアコーティングのサービスに付していた登録商標について、別の2社の会社がこの登録商標と同一の商標を使用し、同様のサービスを提供していました。それで当該会社に対し、サービス名の使用差止の請求と損害賠償請求をしました。
被告のうち1社は和解に応じ、サービス名の使用中止と解決金を支払いました。もう1社については判決によって差止が認められるとともに、損害賠償金を支払わなかったため、同社の有する預金や売掛金へ差押を実施して損害賠償金を回収しました。
ゲーム周辺機器をめぐる商標抵触の判定請求
ゲーム周辺機器の製造販売を営む会社(弊所依頼者)が販売する周辺機器について、「SWITCH用本体」という表示をしたことについて、ゲームメーカーが、特許庁に対して判定請求(ある表示が商標権と抵触するか否かを特許庁が判定する制度)をしました。
特許庁は、「SWITCH用本体」という表示については、ゲームメーカーが有する商標権とは抵触しないという判断をしました。
結婚式関連サービスをめぐる商標侵害交渉
結婚式・披露宴の企画・運営等を営む会社(弊所依頼者)が、結婚式・披露宴の企画の名称に関する商標を保有していたところ、競業他社が同一の名称で類似のサービスを行いました。それで当該他社に対し、名称の使用差止を求めました。
結果、同他社は当該名称の使用を中止し、類似する名称の使用もしない旨同意したため、合意解決に至りました。
惣菜をめぐる商標侵害交渉
惣菜販売店を営む個人事業者(弊所依頼者)が、ある惣菜の商品名に関する商標を保有していたところ、別の飲食店が同一の名称で持ち帰り惣菜を販売していました。それで当該店舗に対し、名称の使用差止と損害賠償請求をしました。
結果、同店舗は当該商品名の使用を中止し、一定の解決金の支払に応じる方向で合意解決に至りました。
子供服をめぐる商標侵害交渉
子供服を輸入販売する事業者(弊所依頼者)が使用している商品名につき、競業他社から商標権侵害の主張を受けました。
同案件については、侵害の事実は争えなかったものの、弊所が依頼者の代理人として交渉した結果、当該商品について、在庫品の販売を目的に数ヵ月単位での猶予を得ることができ、かつ損害賠償の支払はしない旨の方向で合意に至ったため、依頼者の損害を最小限に留めることができました。
菓子類(アイスクリーム)をめぐる商標侵害交渉
特殊な冷蔵庫・冷凍庫の製造販売を主として営む会社(弊所依頼者)が、氷・菓子等の商品名に関する商標を保有していたところ、ある菓子メーカーが同商標を含商品名でアイスキャンディを製造販売していました。それで当該メーカーに対し、商品名の使用差止と損害賠償請求をしました。
結果、同メーカーは当該商品名の使用を中止し、一定の解決金の支払に応じる方向で合意解決に至りました。
トリートメントオイル製品をめぐる商標侵害交渉
トリートメントオイル製品を販売する事業者(弊所依頼者)が使用している商品名につき、競業他社から商標権侵害の主張を受けました。
同案件については、依頼者が費用対効果を考えて商品名の変更を決定したため、弊所が依頼者の代理人として、商品名の使用を速やかに中止するとともに、当該製品の売上高(がわずかであること)を開示して回答した結果、これ以上の権利主張はありませんでした。
ネット関連サービスをめぐる商標侵害交渉
インターネットを利用した店舗混雑状況配信サービスを営む事業者(弊所依頼者)が使用しているサービス名につき、競業他社から商標権侵害の主張を受けました。
同案件については、依頼者が費用対効果を考えて商品名の変更を決定したため、弊所が依頼者の代理人として交渉した結果、変更のための時間的猶予を得ることができ、かつ損害賠償の支払はしない旨の方向で収束したため、依頼者の損害を最小限に留めることができました。
お茶製品をめぐる商標侵害交渉
オリジナルブレンドの茶葉商品を販売する事業者(弊所依頼者)が、ハーブに関する団体から商標権侵害の主張を受けました。
同案件については、弊所が依頼者の代理人として、情報収集と綿密な検討を行い、非侵害の旨内容証明郵便での回答・反論を行った結果、これ以上の権利主張はありませんでした。
医業をめぐる商標侵害交渉
医療機関を営む医師が、運営する医療機関名に関する商標を保有していたところ、同様の医院名を使用する医療機関に対して、医院名の使用差止の請求をしました。
結果、他の医療機関が当該医院名の使用を中止し、変更することで合意解決に至りました。
歯科医療をめぐる商標侵害交渉
歯科医療を営む医療法人が、運営する歯科医院名に関する登録商標を保有していたところ、同様の医院名を使用する歯科医院に対して、医院名の使用差止と変更を求めました。
結果、他の歯科医院が侵害を認め、当該医院名の使用を中止し、看板やウェブサイト等にあった名称を全て変更することで合意解決に至りました。
ストレッチサービスをめぐる商標侵害交渉
整体サービス等を提供する会社(弊所依頼者)が、自社で展開しているストレッチサービスに関する商標を保有していたところ、同様のサービス名を使用するサロンに対して、サービス名の使用差止の請求をしました。
結果、当該サロンが当該サービス名の使用を中止し、店頭での表示やウェブサイト等での表示を変更することで合意解決に至りました。
バッグ製品をめぐる商標侵害交渉
バッグや日用品の製造販売を行う会社(弊所依頼者)が、製品のデザインに使用していた黒猫の模様について、他社が、自己が有する黒猫の図形を含む商標権を侵害すると主張してきました。
同案件については、弊所が依頼者の代理人として、情報収集と綿密な検討を行い、非侵害の旨回答・反論を行い、その後書面による議論を行った結果、相手方よりこれ以上の権利主張はありませんでした。
野菜をめぐる商標侵害交渉
農業生産組合が、ある地域の特色ある野菜について、地域の特色を表現した登録商標を有していたところ、同様の名称を付して野菜を販売する他の農業従事者に対して、名称の使用差止の請求をしました。
当該農業従事者からは、商標権は侵害していない主張があったものの、当該名称の使用を中止し、以後も使用しない旨の連絡があったため、同案件は実質的な解決を見ました。
アルバム制作サービスをめぐる商標侵害交渉
ある会社が、写真アルバム制作サービス等のための登録商標を有していたところ、同様の名称を付して同様のサービスを展開する他の会社に対して、名称の使用差止の請求をしました。
当該会社とは示談合意には至らなかったものの、当該名称の使用を中止し、複数のウェブサイトにあった当該名称を削除するに至ったため、同案件は実質的な解決を見ました。
飲食店をめぐる商標侵害交渉
油そばを提供する店舗等を展開する会社(弊所依頼者)が、「油そば」を含む商標を有する他社から商標権侵害の主張を受けました。
同案件については、弊所が依頼者の代理人として、情報収集と綿密な検討を行い、非侵害の旨を書面で回答・反論を行った結果、これ以上の権利主張はありませんでした。
商標関連契約・商標をめぐる鑑定業務
商標関連契約の取り扱い例
弊所は、毎年多数の契約書に接し、契約書その他の書面の作成を経験しています。
そして、多数の取引契約と取引をめぐる紛争処理の経験から、単なるひな型に当てはめるだけの契約書を作るだけではなく、取引の目的を最大限実現し生かすための効果的な法戦略、紛争を予防し、資金の効果的な回収まで視野に入れた提案をし、クライアントの高度な要求に答える契約書を作成します。
さらには、民法、商法、独占禁止法をはじめとする様々な法的観点から、コンプライアンスの面でも万全のサポートをし、思わぬ落とし穴を避けるお手伝いをします。
また、契約の目的既存の前例にとらわれない、新たな法スキームの作成をもお手伝いし、企業収益の増進をサポートします。
次のような場合、弊所に一度ご相談ください。
- 商標権について、代理人として第三者とのライセンス交渉を行ってほしい。
- 商標権について、ライセンス料の目安を知りたい。妥当なライセンス料について、書面での意見がほしい。
- 商標権について第三者とライセンス交渉がまとまった。契約書を作成したい。ライセンス契約書について、相手方から契約書の案文の提示があったが、問題点がないかどうか検討したい。
事例ご紹介~過去に作成・レビューした契約書(例)
- 飲食店フランチャイズに関連した商標ライセンス契約
- 特徴的なキャラクターと関連する商標を商品に使用するための商品化権許諾契約
- 有名ファッションブランド(登録商標)の使用許諾契約
- 食器類(箸)の商品名に関する商標使用許諾契約
- 特殊冷蔵技術にかかる商標の使用許諾契約
- 食品メーカー間のブランドコラボ企画にかかる商品名(登録商標)の使用許諾契約
- 町おこし地域商品ブランドにかかる商標の使用許諾契約
- 特殊冷蔵技術にかかる商標権の譲渡を含む事業譲渡契約
- 健康用具の商品名にかかる商標の使用許諾契約
- 食品メーカーと小売店間のブランドコラボ企画にかかる商品名(登録商標)の使用許諾契約
- 有名ファッションブランド(登録商標)と電子機器メーカとのコラボ企画にかかるブランドの使用許諾契約
- 地方自治体が持つキャラクターに関連した商標の使用許諾契約
事例ご紹介~意見書・鑑定書を作成した案件
- ある商品名称が特定の商標権を侵害するか否かについて検討した案件
- 商標出願の拒絶理由通知に対して特許庁宛の意見書を作成した案件
- 新規事業開始前に、サービス名の候補について商標の登録可能性を検討した案件
法律相談等のご案内
弊所へのご相談・弊所の事務所情報等については以下をご覧ください。
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