英文契約の基礎知識

 
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英文契約の様々なスタイル

 国際取引の実務で作成される契約書類の形式やスタイルは一つではなく、様々なものがあります。

 まず、商談開始から最終締結までの間、交渉や各当事者内部の意思決定状況に応じて、法的な拘束力のない(non-binding)覚書を取り交わす場合もあれば、法的拘束力のある(legally binding)契約書を交わす場合もあります。

 また、形式面で見ると、いわゆるレター形式の契約書(レターアグリーメント)もあれば、両当事者が調印する方式の正式なスタイルの契約書などもあります。

Letter of Intentの意味と目的

レター・オブ・インテントが作成される理由

 契約交渉においては、契約の最終合意に至る前段階において、それまでの当事者間、または交渉担当者間による合意内容や了解事項のアウトラインについて、書面による相互確認を行うことがあります。

 これは特に、複雑・重要な内容で、契約交渉に時間のかかる重要な契約の場合に多いといえます。それは、こうした種類の契約では、短い期間であらゆる詳細な事項まで取り決めることは、通常はできないからです。

 そこで、Letter of Intent(LOI)を作成して、その時点での合意事項・了解事項を相互で確認し、以後の正式な契約締結に向けた交渉のベースとします。レター・オブ・インテントはそのような理由で作成されます。

「レター・オブ・インテント」と考えられる文書の表題

 実質は「レター・オブ・インテント」として作成される書面が、常に“Letter of Intent”というタイトルになるとは限らず、他の表題も使用されます。

 “Letter of Intent”の代わりに使用のほか“Memorandum of Understanding”(MOU)や、“Memorandum”といったタイトルも使用されます。さらに、表題のないレター形式のレター・オブ・インテントもあります。

 ただし、不用意に“Agreement”を含むタイトルを使う場合には、当事者の意図に反して、法的拘束力のある契約書と解釈されたり、紛争時にはそのように主張されかねませんので、注意が必要です。

レターアグリーメントの意味と目的

レターアグリーメントとは何か

 レターアグリーメント(letter agreement)とは、レター形式の契約書をいいます。比較的簡単な短い契約の内容を相互に確認するときなどに利用されるケースが多いといえます。

 例えば、定型的な売買契約、雇用契約、秘密保持契約、賃貸借契約などのほか、ある契約を変更・補充する合意や、何かの同意事項の確認などに利用されます。

レターアグリーメントの形式

 以下は、レターアグリーメント(letter agreement)の簡単な形式を示すサンプルです。

Amigo Corporation
*-*, Marunouchi 1 chome, Chiyoda-ku, Tokyo, 1**-xxxx Japan

July 1, 2014

ABC Limited
   (address)   
Attention: Mr. Paul S. Bernstein
       CEO and President

RE:           

Dear sir,
This letter sets forth our Agreement with you, as of June 15, 20014, as regards

1.
2.
3.

If this letter correctly sets forth your understanding of the Agreement between Amigo and ABC, kindly so indicate by signing the original copies of this letter and returning one of the executed copies to us.

Very truly yours,

Amigo Corporation
By:           
Name: Ichiro Suzuki
Title: Vice President

Confirmed and Agreed: 
ABC Limited
          
Name: Paul S. Bernstein
Title: CEO and President 

 


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