顧問弁護士のメリット
本ページでは、顧問弁護士契約を置くメリットについてご説明します。顧問弁護士は、『紛争予防、競争力強化のための「かかりつけ」弁護士』として大変有用です。
1ヵ月数万円という費用だけを見ると少し負担感があるかもしれませんが、実際にはこれを上回るコストダウンと効果があることが少なくありません。以下、詳細にご説明します。
なお、顧問弁護士契約のための詳細な資料もご覧になれます(ダウンロードも可能です)。顧問弁護士契約資料請求ページから、どうぞご利用ください。
また、「顧問弁護士は結局何をしてくれるの分からない」とお考えの方は、顧問弁護士のサービス内容のページもご覧ください。
顧問弁護士による「コストダウン」
社長が法務を扱うことは実は高くつく
顧問料の「数万円」を見ると高いように思えるかもしれません。
しかし、業務を行っていて、以下のようなことを思ったことはないでしょうか。
- 社内外で法的問題ですぐに相談できる人がいないため、いつも1人で判断しているが、実は、これでよいのか不安である。
- 契約については、社長である自分が交渉し、内容を判断している。しかし分からないことが多く、時間も多く取られている。この時間を、もっと経営の時間に回せればよいのに、と悩んでいる。
- 社長の私が契約書など見ることになっているが、見てもよく分からないので来た書類はすべてそのまま印鑑を押していた。幸い今までトラブルになったこともないが、本当によいのだろうか。
- 法務部がないため、法務については総務課に対応させている。総務課の社員も法律については素人同然である。任せていて大丈夫なのだろうか。
大企業はともかく、中小企業にとっては、法務専属スタッフを置くこと自体、現実的ではない場合が多いでしょう。そのため、法律問題がからんでいても経営者や営業社員が何も分からないまま「素人判断」で適当に判断してしまいがちで、その結果、あとあと問題が残る処理をしがちです。
しかも、契約書は複雑で分かりにくく、これを読んで理解し、問題点を抽出してリスクを判断し、受容すべきか修正を求めるべきかを検討し、さらに代替案を考える、という作業は高度で専門的な判断を要します。これを専門家ではない方が行おうとすると、多くの時間が取られてしまいます。
会社の売上を考えれば、社長の「時間コスト」は決して低くないはずです。顧問料の「数万円」を見ると高いように思えるかもしれません。しかし、社長が契約書の検討に悩みながら何時間も費やし、その間本来の営業業務や経営業務に充てられないことは、それ以上のコストや損失となる場合が少なくありません。
顧問弁護士は専任スタッフの雇用よりずっと低コスト・低リスク
この場合、顧問弁護士を「中小企業の法務部」として活用することができます。弁護士に支払う顧問料は、法務専属スタッフを雇用することに比べれば、はるかに低コストであり、かつ、採用と雇用に手間に比べるとほとんど手間がかかりません。
つまり、専属スタッフを雇用すれば、少なくとも年間数百万円のコストが必要ですが、弁護士の顧問料は年間42万円(Aコース)又は60万円(Bコース)であり、コストは10分の1又はそれ以下でしょう。また先述のように、社長が営業業務に充てられないことによる機会損失と比べても遥かに低コストです。
また、中小企業が法律実務に精通した有能な人材を探すこと自体不可能・困難な場合が多く、いざ採用できたとしても場合、労働問題が発生するリスクがあり、かつ、必要がなくなったからというだけで簡単に解雇することはできません。これに対し、顧問契約であれば、労働問題はありえませんし、契約満了時、更新が不要であれば契約を終了させるだけで足ります。
顧問弁護士を依頼するコストは、総合的に考えれば、会社全体のコスト削減につながります。
すぐに・どこからも相談可能
すぐに相談できないことのデメリット
業務を行っていて、以下のようなことを思ったことはないでしょうか。
- どこまでが法律問題として弁護士に相談べきなのか、どこからが経営問題なのか、判断がつかない。
- こんな小さなことで弁護士にアポを取って、わざわざ相談してよいのか分からない。忙しいから後にしよう
また、問題が生じてからあわてて相談しようとしても、多くの手間がかかります。例えば、
- 「適切な弁護士をどうやって探そうか」
- 「初対面の弁護士が果たしてその相談を受けてくれるか」
- 「自社の問題はそもそも法律問題か」
- 「相談を申し込んでも遙か先の日取りしか取れない」
- 「ようやくある弁護士と相談したが、相性が合わない。探し直さなければならない」
などです。
確かに顧問弁護士がいないと、「小さなこと」と思うことや、「法律問題か分からない」ことのために、わざわざ弁護士を探して、アポを取って、相談するという気にはなれないかもしれません。でもこうしたことから、後に問題が大きくなってしまうことになりかねません。
また、「まだこの程度ならまだ相談しなくてもよいだろう」「手に負えなくなってからにしよう」と思って相談せず、深刻な問題を発生せてしまったり、相談した際には手遅れになってしまうことが見られます。
すぐに相談できる、事情に通じた弁護士の利点
他方、顧問弁護士契約がある場合、ご相談は、面談だけでなく、電話・電子メールでのご相談にも対応しています(実際弊所顧問先からの相談の8割以上は電子メールです)。
それで、「いますぐ知りたい」といった相談には電話で即座に対応できますし、「あれ、これどう考えたらいいのだろう」と思い立ったときに、電子メールで質問すれば、迅速に回答を得ることができます。
また、顧問契約を締結して継続的なコミュニケーションを取ることから、顧問弁護士に、自社の業務内容や社内事情に通じてもらうことができます。それで、相談のたびに自社の事業内容や事情を説明することなく、自社にあったアドバイスを受けることができるようになります。
しかし、顧問弁護士であれば、まず、「この問題が法律問題なのか否か」といった問題から、気軽に相談することができますし、面談が必要な場合、弁護士としても最優先で相談予定を入れる用意があります。いつでも相談でき、不安を解消できるというのは大きなメリットです。
また、顧問弁護士であれば、いざ法的問題が発生したとき、初期段階で適切な対処ができますし、気心も知れているため、安心して依頼することができます。
地方の企業による専門家の利用
東京や大阪といった大都市圏以外の地方都市だと、知的財産権、企業法務、英文契約、独占禁止法といった専門分野に通じた弁護士を近くで探すのは困難かもしれません。
この点、顧問弁護士契約を利用すれば、電話や電子メールの相談が可能であるため、地方の企業であっても、専門性の高い弁護士との相談を日常的に行うことができるようになります。
実際弊所の現在・過去の顧問先には、東北地方、北陸地方、中国地方の企業が含まれています。
経営者と担当者の負担・不安軽減
法的紛争の交渉の負担は大きい
業務を行っていて、以下のようなことを思ったことはないでしょうか。
- 取引先ともめてしまった。弁護士に依頼するような金額でもなく、営業担当と相談しながら交渉を行っているが、自分が取る方針や方法で不利にならないか、不安である。
- 顧客のクレーム対応をしている。話をする際に、法的にみて、こういうことは言ってはいけないとか、こんなことを言うと不利になるといったことが分からない。自分の対処法が間違っていないのか、不安である。
- 問題がある従業員が出てきており、将来解雇の可能性も考えている。社労士には相談して進めているが、少し心もとない。大丈夫だろうか
実際に紛争が発生したときも、その案件だけでは、費用対効果の問題や取引先との関係維持などの観点から、単発的に弁護士に依頼・相談することができない場合が少なくありません。
そして、中小企業の多くは、顧問弁護士がいない場合、会社の代表者、営業担当者が交渉を行います。しかし、難しい判断を多くの時間をかけて自分で行うことになりますが、実際は、この処理には多大な時間、エネルギーがかかります。
また常に不安とストレスをかかえることになる上、本来行うべき営業活動に割くべき時間が奪われることによる、取引機会の喪失などの営業上の損失は、膨大なものとなる可能性があります。
そこで、こうした法的な紛争における交渉において、都度顧問弁護士の意見を聞き、不安やストレスを軽減させながら交渉を進めることができれば、時間やエネルギーを節約でき、大きなメリットとなります。
顧問弁護士が交渉の窓口となる
顧問料とは別料金になる場合があるものの、トラブルの交渉窓口や、クレーム対応を顧問弁護士に依頼することもできます。弊所もそうですが、顧問先以外の企業から「クレーム対応してほしい」と言われても通常はお受けしませんが、顧問先の依頼であれば特別なことがない限りお受けします。
実際弊所に依頼する多くの中小企業の社長・役員の方々は「弁護士にすべて窓口になってもらうことで、紛争から解放され、ホッとしているとともに、本来の仕事に集中できるようになった。」と感想を述べています。
顧問弁護士を持つことは、総合的に考えれば、経営資源の最効率化に資するものとなります。
リスク回避と権利保全
リーガルリスク早期発見・予防
新規事業を行うとき、新たな取引を始めるとき、何か問題が起こる前に、生じうるリーガルリスクと回避法を相談できます。これは、その企業の状況に通じている顧問弁護士でないと難しいでしょう。
紛争の事前予防
売掛金の回収、取引先の倒産、顧客との紛争、労使の紛争、事故の発生等、 事業を営む際、法的な紛争は不可避です。また、日々の取引の中でたくさんの契約が交わされます。
それで、取引に際し、法的な問題点をチェックしたり、契約書に必要な事項を盛り込んだりすることにより、事前に紛争を予防することができます。
例えば、契約書を作成すべきところを、契約書を作らずに取引が進められたり、契約内容につき検討・修正が必要なのにそれがなされないまま取引がめられたりすることは少なくありませんが、それが後の紛争の原因となることがあります。
しかし、交渉の際、「顧問弁護士から、契約書を作るようにうるさく言われている」とか、「顧問弁護士から、契約書にこの条項を入れてくれ(修正してくれ)とうるさく言われている」などと、顧問弁護士の意見として言えば、取引先との信頼関係を崩さずに、有利な取引・交渉が可能になります。
コンプライアンス経営
コンプライアンスとは、簡単にいえば、法律や規則を適正に守ることを意味します
近年、世界において、ある会社が、守るべき法律や規則を守らなかったり、企業倫理上問題のある行為をし、それが公になった結果、企業の存続そのものが危機にさらされる事態が出現するようになりました。
例えば、米国では、粉飾決算が明るみに出、会社が破綻しました。また、わが国においても、食品企業において衛生管理の不得手や偽装問題が次々と発覚し、また自動車メーカーの欠陥商品隠し、リコール隠しも問題となりました。このように、企業の法又は倫理に対する姿勢が、企業業績に極端な影響を与え、その存続すらできなくなるおそれがあります。
日々の業務の中で顧問弁護士のアドバイスを受けることにより、コンプライアンス経営を徹底し、健全な経営の基盤を保つことができます。
経営資源としての権利保全
日々の業務の中で発生する成果の中には、知的財産権(特許、商標、実用新案等)として、適切な手段を講じることにより、会社の競争力を高め、場合によっては市場を独占できるものがあるかもしれません。そのほか、会社の資産と権利を保全するためのアドバイスをいたします。
専門家ネットワーク
顧問弁護士が持つ専門家ネットワークを利用し、適切な他の専門職の紹介(弁理士、司法書士、税理士等)を受けることができます。
家族や従業員の個人的問題についても相談可能
弊所の顧問弁護士契約では、経営者や従業員、またその家族の個人的問題についても相談することができます。
そのため、従業員への福利厚生にも資することになります。例えば、経営者や従業員からの相談としては以下のようなものがあります。
●相続の問題
●離婚の問題
●交通事故の問題
●前職時代の労働問題
●その他
顧問弁護士契約検討のための無料面談などのご案内
弊所へのご相談・弊所の事務所情報等については以下をご覧ください。
メールマガジンご案内
弊所では、メールマガジン「ビジネスに直結する判例・法律・知的財産情報」を発行し、比較的最近の判例を通じ、ビジネスに直結する法律知識と実務上の指針を提供しております。 学術的で難解な判例の評論は極力避け、分かりやすさと実践性に主眼を置いています。経営者、企業の法務担当者、知財担当者、管理部署の社員が知っておくべき知的財産とビジネスに必要な法律知識を少しずつ吸収することができます。 主な分野として、知的財産(特許、商標、著作権、不正競争防止法等)、会社法、労働法、企業取引、金融法等を取り上げます。メルマガの購読は無料です。ぜひ、以下のフォームからご登録ください。
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